荒海ホタテの約束

荒海ホタテの約束

  • 約束その1
  • 約束その2
  • 約束その3
  • 約束その4
  • 約束その5

荒海ホタテの約束 その1

1.他産地の稚貝は使用せず、自前の海で採取したラーバ(ホタテの幼生)を自前の海で育てます

こちらが野田村の外海で採取したラーバ(ホタテの幼生)です。 肉眼ではなかなか見えませんが、顕微鏡で覗くと、この様にホタテだと分かります。

まだ1mmにも満たないこのホタテのラーバは、北の海から親潮にのって海中を浮遊しながら野田村の海に流れてくるのです。 3cm程に大きくなった種苗用の稚貝を他産地から購入して養殖を始める産地もありますが、野田村は一から育てています。 種苗を外部から持ってきた場合、ホタテに害を及ぼす寄生虫や、貝に穴を開けるポリドラという虫が漁場に持ち込まれてしまう危険性があります。 野田村では、全て天然種苗で育てているので、これらを持ち込むリスクがありません。

ラーバの時は外側の玉ねぎ袋の網目から中へ入り、内側のテグス網に付着をします。
荒海に揉まれて大きくなると、玉ねぎ袋から出られなくなるという仕組みです。

荒海ホタテは、自前の海で、この様な採苗器で採取し、自前の海で育てています。
野田の海のホタテの赤ちゃんを、野田の海で育てる。平凡なことの様に見えて、良質なホタテを育てるための大切な第一歩。

安全で美味しく育てる手間暇は、まずは最初の約束ごとから始まります。

荒海ホタテの約束 その2

2.どんなに波が荒くても、潮通しがよく、水質がきれいで、ホタテのエサとなるプランクトンが豊富な外海での養殖にこだわります。

岩手県北東部にある、太平洋に面した野田村。

ホタテの養殖は一般的に内湾で育てますが、荒海ホタテはこの様な外海で育てられます。
潮通しがよくて水質がきれいな為に、ホタテのエサとなるプランクトンが豊富です。
身が貝の殻の大きさに限りなく近く、肉厚で他のホタテよりも成長が早い荒海ホタテを育てているのは、まさにこの荒れた外海のおかげ。

そして、ホタテには天国でも、実は漁師にとってはとても過酷な環境です。
作業をする為に沖に出るのは、天気の良い日中だけではありません。
まだ薄暗い朝方での作業や、霧によって海上での視界がほとんどなくなってしまう日もあります。
更に海が荒れた日には、養殖現場まで行くことを断念する事もあり、漁師は常に危険と隣り合わせです。

近くの内湾で養殖するよりも遥かに労力が必要な荒海ホタテ。養殖なのに命がけ。
しかし、その荒海ホタテのホンモノの美味しさにこだわる荒海団は、日々汗水流すのです。

荒海ホタテの約束 その3

3.ホタテのきれいな貝、きれいな味にこだわり、耳吊りはせず、ホタテが自由に動けるネット・籠で育てます。

ホタテの一般的な養殖方法として、この様に貝に穴を開ける「耳吊り」というものがあります。

この養殖方法は漁師の負担をある程度軽減してたくさんのホタテを育てることができますが、ホタテが固定されてしまう為、海中では身動きが取れなくなってしまいます。また、他の貝などがホタテに直接付着するため、栄養の吸収も阻害されてしまいます。 

しかし、荒海ホタテはネットや籠で育て、ホタテが自由に動ける環境にしています。
一枚一枚が動けることにより、ホタテにストレスを与えず、他の貝や海中の付着物を極力避け、きれいな貝、そして何より荒海ホタテならではの“きれいな味”に育てる事が出来るのです。
また、荒れる外海において、この様なカゴを使ってホタテのエサとなるプランクトンが豊富な適切な水深を保つには、荒海団である漁師たちが長年培ってきた高度な技術も必要です。

きれいな海水が淀まずに流れ、ホタテの餌となるプランクトン豊富な外海。
そして耳吊りではなくネット・籠で育てる野田村独自のホタテの育て方。

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荒海ホタテの約束 その4

4.成貝になるまでの間に貝の枚数を調整する入替え作業や他の貝類の除去作業などを最低5回行い、ホタテにとって良好な栄養環境の維持ときめ細やかな成長管理を行います。

野田村の外海は潮通しがよくて水質がきれいでエサとなるプランクトンが豊富という事は、もちろん他の貝なども多くいるという事。 ネットや籠で極力他の貝や海中の付着物を避ける育て方をしても、ホタテの貝殻にも様々な付着物が付き、エサを奪い合ってしまいます。

それを手作業で除去し、ホタテにとって良好な栄養環境を維持します。
これは耳吊りではなく、ホタテを1個1個取り出せるネットや籠で育てる方法だから出来ること。 

また、大きく成長したホタテ同士でもエサを奪い合ってしまう為、成長具合によって貝の枚数を入れ替えて調整し、きめ細やかな成長管理を行います。

荒海ホタテでは、この作業を成貝になるまでに最低5回行います。
とても地道な作業ですが安全で美味しく育てる手間暇の1つ。
そして、すっきりキレイに育てられた荒海ホタテは最後の約束へと移ります。

荒海ホタテの約束 その5

5.出荷は、すべて野田港水産物蓄養施設から行います。低温地下海水をふんだんに使用した水槽(ホタテが好む冷温環境)で一時保管し、出荷時に最も元気な状態となるよう、ホタテのストレスフリー に最後までこだわります。

荒海ホタテは出荷される直前まで、この様な大きな水槽で一時保管されます。
低温地下海水をふんだんに使用し、ホタテが好む冷温環境を徹底しております。
もっと細かく言うと、気温やホタテの状態、出荷のタイミング等に合わせて、低温地下海水自体も原海水と冷却清浄海水とで使い分ける徹底ぶり。
ここまですることで、元気いっぱいで安心安全、“きれいな甘さ”と表現される特徴的な旨味を持つ「荒海ホタテ」を皆様のもとへお届けできるのです。

他の店頭販売などの小さい水槽ですと、ここまでの管理はできず、弱っている状態のホタテを見る事があります。
荒海ホタテでは、ホタテのストレスフリーに最後までこだわり、出荷時に最も元気な状態で、お客様のもとへお届けいたします。

また、この施設にて漁協職員が貝の状態の最終チェックをします。
貝殻に細かい穴が開いていないか、小さい傷はついていないか、また大きさ・重さ・形・状態などを選別し、発送可能かどうかの最終判断を下します。

「旨いホタテをたくさんの人に食べてもらいたい」
その固い信念のもとに、手間暇と努力を惜しまない漁師たちの確かな技術。
そして、これら5つの「岩手野田村 荒海ホタテ」の約束ごとをお客様にお約束します。